2015年7月4日土曜日

〇《奥の細道》紀行・出羽路(36) 酒田で余波(なごり)の日を重ねる。

〇芭蕉と曾良は象潟から酒田に戻る。酒田で七泊して、地元俳人らと句吟三昧の日々を過ごした。
曾良随行日記》より、
〇十八日 快晴。早朝、(象潟)橋迄行き、鳥海山の晴嵐ヲ見ル。飯終りテ立つ。アイ風吹きテ山海快。暮ニ及びテ、酒田ニ着く。
〇十九日 快晴。三吟始む。明廿日、寺嶋彦助江戸ヘ被ㇾ趣(おもむかれる)ニ因りテ状認(したたむ)。翁より杉風(さんぷう)、又鳴海寂照・越人ヘ被ㇾ遣(つかわされる)。‥‥。
〇廿日 快晴。三吟。
〇廿一日 快晴。夕方曇。夜ニ入り、村雨シテ止む。三吟終る。
〇廿二日 曇。夕方晴。
〇廿三日 晴。近江や(屋)三良兵へ(衛、さぶろべえ)へ被ㇾ招。夜ニ入り、即興ノ発句有り。
廿四日 朝晴。夕ヨリ夜半迄雨降ル。
一 廿五日 吉。酒田立つ。‥‥』
◎今度酒田に行ったら、次の箇所を必ず探訪する。
★「不玉宅址」。酒田市役所の向、中町一丁目11ノ4、今・佐藤歯科医院。「淵庵不玉と云ふ医師」。本名・伊東玄順。「三吟」の歌仙が巻かれた。《温海山や吹浦かけて夕涼み》が発句。
★「安種亭令道・寺島彦助宅跡」 「寺島彦助亭ヘ被招、俳有り」の亭跡。《涼しさや海に入りたる最上川》の発句で始まる歌仙が巻かれた。
★「玉志・近江屋三郎兵衛宅跡」。荘内証券(市役所筋向い)の前。「即興の発句」《初真桑四にや断ン輪に切ン》で始まる歌仙が巻かれた。この真蹟懐紙は本間美術館に収蔵されている。
★本間美術館
★鐙谷(あぶみや)家
★日和山公園「芭蕉坂」を歩く。芭蕉の酒田上陸地から続く坂。坂を上った先が漁師町。
〇芭蕉は酒田で過ごした(象潟探訪後の)七泊のことをたった一行で片づけている。
奥の細道》より、
酒田の余波(なごり)日を重ねて、北陸道の雲に望む。遥々(はるばる)のおもひ、胸をいたましめて、加賀の府まで百卅里と聞く。‥‥』

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