2013年6月19日水曜日

〇山本周五郎「樅の木は残った」を読んだ。

山本周五郎の代表作は「樅の木は残った」とされてきた。そうされてきたとボクは思ってきた。で、いつか読もうと書棚に並べておいた。以来三十数年経ってようやく手にして、そして今日読み終えた。新潮社文庫本・上下1,150P。また目を悪くした。もっとも目をあの世に持ってく訳にいかないから、精々この世で使い切ろうと思っている。さて感想は。山本周五郎は短編の方が素晴らしい、とボクは思う。短編に構成・表現される人間性・人情の一片のキラメキの素晴らしさ――それは、読後の温もりがいつまでも保持されることで分る。「正雪記」もこの間読んだし、もう重たい長編はないんでないかなぁ。長編となれば、山岡荘八の「徳川家康・全26巻」は素晴らしかった。あれだけの長編で最後まで充実して緊張が失われないんだから凄い。世界に通用する長編小説。

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