2010年1月26日火曜日

朱と紅

同じく赤と言っても「朱(しゅ)Vermilion」と「紅(くれない)Crimson Lake」は性質が違う。同じ性質の色とは感じられない。紅でもって朱は表わせず、朱を以て紅は表わせない。このことは自然・人物を観察して絵を描いて見れば分る、赤味は一色では表わし切れない。どうやら神経生理学の知見でもこのことは裏付けられつつあるそう。網膜の中心=黄斑に錐体細胞(明所視細胞、色を感ずる)が集中しておりその数はおよそ600万個と言われているが、これまでは錐体細胞は赤色・青色・緑色(三原色)に対応する3種類のものがあるとされてきた。そのうち赤色錐体細胞には更に2種類のものが区別されるという説が有力化しているそう。それは頷ける。ヒトの目は(と言っても所詮僕の目、他人の目のことは分らない)赤色に対してとりわけ敏感。そして赤色錐体細胞の2種類とは「朱色」と「紅色」に対応するものだろう。
↓ 光の三原色(この赤は朱)
光は混合すると明るくなる。それで三原色を混合すると白光になり得る。しかし絵具は混色すると暗くなる。光のように赤と緑を混色しても黄にはならない、暗く汚いグレイになる。絵の具の混色で黄色は絶対作り出せない。絵具の三原色は赤・青・黄色。緑色は青色と黄色の絵具の混色で綺麗に作れる。

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